ワイン産地特集「シャンパーニュ編」
シャンパーニュワインについて
シャンパーニュ地方はパリよりやや北に位置しています。そのため年間の平均気温が低く、高温で乾燥した気候を好むぶどうにとって実はあまり適しているとはいえません。
昔は年によってはぶどうが十分に熟さず、ワインにならないことも頻繁にありました。なぜなら、ぶどうが完熟していないとアルコール発酵に必要な糖分がぶどうから得られないからです。
それを打開するために考えられたのが、糖分を添加する方法です。添加する糖分により、アルコール度を一定まで高め、保存性を上げました。また、香りや味の不足は、リキュール添加により補うことが出来ます。
そこから生まれたのが今日のシャンパーニュ製法です。まさに、気候条件の悪さを逆手に取り、美味しいスパークリングワインを生み出すことが出来たといえるでしょう。
このように、安定した品質が保証されたのは、ワインという気候に左右される商品としては画期的なことだったのです。
今ではシャンパーニュといえば高級スパークリングの代名詞。特別なシーンに欠かせない華やかなワインとなりました。
シャンパーニュワインのポイント
1.シャンパーニュの歴史シャンパーニュの製法は、17世紀にオヴィレ修道院のベネディクト会修道士ドン・ペリニョンが発明したといわれています。
2.「シャンパーニュ」という名称「シャンパーニュ」は、AOCによって厳格に定められたワインの呼称です。フランスのシャンパーニュ地方で、なおかつ定められた製法で造られたスパークリングワインのみが名乗ることができます。
3.シャンパーニュの品種シャンパーニュで栽培されているぶどうは主に「ピノ ムニエ」「ピノ ノワール」「シャルドネ」の3種類です。
4.シャンパーニュの製法シャンパーニュは、ワインに糖分と酵母を加える瓶内二次発酵で造られます。
5.シャンパーニュの業態シャンパーニュは、大手メーカーが中心の「ネゴシアン」、生生産者共同組合での製造販売「コーペラティヴ ド マニピュラン」、ぶどうの栽培からワインの醸造・瓶詰めまでを1つの農家で行う「レコルタン マニピュラン」の主に3つの業態によって製造されています。
1.シャンパーニュの歴史
シャンパーニュでは、17世紀後半から末にかけてオヴィレ村のベネディクト会修道士ドン・ペリニョンや、ピエリー村のウダール修道士などによってその生産技術が発展しました。ワインに加糖し瓶内で泡を発生させ溜める「シャンパーニュ製法」から造られるパークリングワインは、その華やかさから18世紀になり王侯貴族の間で急激に広まっていきます。
18世紀にフランス宮廷など飲まれているシャンパーニュは甘口が主流でした。さらに18世紀半ば、フランス革命により貴族お抱えの料理人が市民相手の料理屋を始め、19世紀になるとシャンパーニュはブルジョワにも広がっていきます。
20世紀後半にもなると、フランス料理の大衆化の歴史と共に、贅沢品のシャンパーニュがたくさんの人から愛される食前酒となりました。
2.「シャンパーニュ」という名称
「シャンパーニュ=スパークリングワイン」と思っている人も多数いるほど、有名でブランドイメージがあるシャンパーニュ。ですが、すべてのスパークリングワインが「シャンパーニュ」と呼べるわけではありません。
「シャンパーニュ」は、AOCによって厳格に定められたワインの呼称です。フランスのシャンパーニュ地方で、なおかつ定められた製法で造られたスパークリングワインのみが名乗ることができます。ちなみに「シャンパン」は英語での表記、「シャンパーニュ」はフランス語での表記です。
シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で造られるスパークリングワインには、フランスの「クレマン」やスペインの「カヴァ」などがあります。
3.シャンパーニュの品種
シャンパーニュで栽培されているぶどうは主に黒ぶどうの「ピノ ムニエ」「ピノ ノワール」、白ぶどうの「シャルドネ」の3種類です。
・ピノ ムニエ:黒ぶどうで、フルーティなアロマに影響
・ピノ ノワール:黒ぶどうで、ワインの力強さやボディに影響
・シャルドネ:白ぶどうで、上品さと繊細さをもたらす
4.シャンパーニュの製法
シャンパーニュには製造過程において次のような特徴があります。・ベースとなるワインに、加糖、酵母を添加し、瓶内での二次発酵を促します。
・カーヴで貯蔵し熟成させます。瓶口部にたまった澱を取り除き(デゴルジュマン)そのとき量の補填や味わいの調整のために、ぶどうを煮詰めた「門出のリキュール」を加えます(※1)。
・通常、数年分のワインをブレンドして造られます。 (単一年の「ミレジム」、「ヴィンテージ」は、良年のみ造られることがほとんどです)
・シャンパーニュ ロゼは、フランスのロゼの中で唯一白ワインと赤ワインのブレンドによる製造が可能です(※2)。
※1…近年ではこの工程の際に加糖しない「ノン・ドサージュ」や「ゼロ・ドサージュ」のシャンパーニュも人気です。
※2…通常、ロゼワインは赤ワインの製造過程で、赤ワインよりも色や渋みを抽出する時間を短くすることによって造られます。
5.シャンパーニュの業態
シャンパーニュは主に3つの業態によって製造されています。シャンパーニュのラベルをよく見ると、「NM」「CM」「RM」と略語が記載されています。・ネゴシアン マニピュラン(NM:Négociant Manipulant)
…シャンパーニュメーカーで、一部または全部を自社畑以外から購入して製造。シャンパーニュ生産者のほとんどがこの業態。
・コーペラティヴ ド マニピュラン(CM:Cooperative de Manipulant)
…生産者共同組合での製造販売。
・レコルタン マニピュラン(RM:Recoltant Manipulant)
…ぶどうの栽培からワインの醸造、瓶詰めまでを一貫して行う小規模生産者のことで、少数ながら、全ての行程を行うため、生産者のこだわりが丁寧な仕事によって反映されすく、最近は注目を集めています。マヴィの生産者ブリアール家もこちらのレコルタンマニピュランです。
マヴィのシャンパーニュ生産者
ブリアール家/フランス・シャンパーニュ
ヴァンサン ブリアール
ブリアール家はドン・ペリニョンの修道院が建つ「シャンパーニュのゆりかご」と呼ばれるオヴィレ村で、代々続くぶどう農家。オヴィレ村は、シャンパーニュの中でも特に高品質のワインを産し、重要な地区とされるヴァレ ド ラ マルヌに位置していますが、ブリアール家の畑は、その中でも最高級とされる斜面エリアにあります。
そしてブリアール家は1970年にオーガニック転換したパイオニアでもあります。当時、オーガニックでシャンパーニュを造っている農家は10軒にも満たなかったそうです。
初夏になるとブリアール家のぶどう畑は草花が生き生きと土を覆い、生命力あふれる美しい姿を見ることができます。近隣の畑と比べると、まるで緑溢れる地球と砂岩に覆われた月面のよう。
醸造設備が極めて小さいため、自家で使用するぶどうは最も良いぶどうのみ、残りは大手メーカーへ出荷します。まさに選りすぐりのぶどうしか使用していません。家族経営の小さなワイン農家ですが、その質の高さはパリからわざわざ買い付けや見学にたくさんの人が訪れるほどです。
>>ブリアール家のワイン一覧へ
シャンパーニュワインと楽しむグルメ
一般的にはアペリティフ(食前酒)やアミューズ(前菜)と楽しまれることが多いシャンパーニュ。
やはり基本は食前に軽いおつまみを添えて楽しむのがおすすめです。すっきりした味わいのシャンパーニュでしたらヴェリーヌ、カルパッチョなどの前菜にもよく合います。
一度試してみたいのは「シャンパンディナー」。元は軽めのものから徐々に濃くのあるものにしていき、コースのお料理全てにシャンパーニュを合わせる贅沢なひとときです。いちごやくり抜いたメロンなど果物と一緒に召し上がっていただくのもおすすめです。
また、シャンパーニュ地方の名物に「ビスキュイ・ド・ランス」というピンク色の焼き菓子があります。メレンゲを焼いたような食感のお菓子で、シャンパーニュに浸していただくのが定番。伝統菓子までシャンパーニュとはきってもきりはなせないのです。
マヴィのシャンパーニュ産地ワインを紹介
おすすめシャンパーニュ
ブリアール家の定番シャンパン
・商品番号:36001
・生産者:ブリアール家
(フランス・シャンパーニュ)
・合う料理:アペリティフに最適。グジェール、てんぷら、寿司、フォアグラのパテ、スモークサーモン、果物のソルベなど
マヴィのシャンパンで1番人気の逸品。香り味わいともに複雑で芳醇なシャンパーニュです。
ゴージャスな仕上がり
・商品番号:36005
・生産者:ブリアール家
(フランス・シャンパーニュ)
・合う料理:しっかりした味わいの前菜、魚や鶏をバター・クリーム系のソースで、牛ひれ肉などのパイ包みなど
ここぞというときのお祝いにぴったりのオーガニックシャンパン。ピノ ムニエ、ピノ ノワール、シャルドネを使い、カーヴの中で7年以上も熟成させた芳醇な味わいを楽しめます。