ボバル

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    長らくその濃い色が重宝され、色付け目的やテーブルワインに使用されてきたボバル。近年、その素晴らしい品質の可能性に着目されるようになり、高品質のワインが誕生しています。

    ボバルとは

    スペインのバルセロナのさらに南の地中海沿岸地域バレンシア地方。その内陸部にあるウティエル・レケナ地区が起源とされているぶどうです。赤ワインのほか、濃縮果汁などに使用されることもあります。

    スペインで、白ぶどうのアイレン、黒ぶどうのテンプラニーリョに次ぐ第3番目の生産量を誇ります。スペイン以外では、フランスのルーション地方とイタリアのサルデーニャでごく僅かに生産されています。

    ボバルの特徴は?

    房は大きめで両肩が角のように広がっており、ボバルの名前の由来はその房の形が雄牛の顔のようだからとも言われています。粒は中くらいで丸く、ジューシーです。皮の色が濃く、皮も厚いのでタンニンが豊富です。

    暑さ、乾燥に強い典型的な地中海品種で、霜にも強いですが春の寒さには弱いです。乾燥に強い反面、カビには弱いのでベト病、うどんこ病、貴腐菌いずれも注意が必要です。

    比較的晩生の品種で、収量も豊富なので、品質を高めるためには短く剪定し、収量を調整することが必要になります。

    ボバルの香りや味わいの特徴は?

    しっかりとしたタンニン分ときれいな酸を伴うボバルからできたワインは、ブラックチェリーのような濃い色合いをしています。カシスやプルーンといった黒い果実の香りやスパイス、甘草のニュアンスもあります。

    アルコールが高すぎないのと、きれいな酸味のおかげで、バランスが取れており、飲みやすさもありながら、時間が経って開いてくるうちに複雑さも感じます。

    ボバル単体での評価も高くなってきていますが、テンプラニーリョ、ガルナッチャ、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨン、ムールヴェードル等とブレンドされたタイプも多く生産されています。

    ボバルの基本マリアージュ

    ボバルの産地であるバレンシア名物のパエリアやフィデウア(細くて短い麺を使ったパエリアのような料理)、シンプルにローストやグリルした赤身の肉、もちろんスペインのサラミや生ハムとの相性も抜群です。

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