バルベーラ
5 個
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ピエモンテ州を代表する品種バルベーラ。丘陵地帯で育つこの品種は、酸が美しく比較的軽やかな赤から、濃厚で魅惑的な赤ワインまで、さまざまな表情を見せるワインを生み出します。
バルベーラはイタリア北西部のピエモンテ州を代表する赤ワイン用のブドウ品種で、原産地はモンフェラートの丘と言われています。この品種を使ったワインでは、特にアスティ(Barbera d'Asti)やアルバ(Barbera d'Alba)が有名です。いずれも丘陵地帯で、土壌は石灰質や粘土質が多く、ブドウの栽培には最適です。
ピエモンテ州以外では、ロンバルディア州やエミリア=ロマーニャ州でも広く栽培されており、イタリア全土で人気のある品種で、サンジョヴェーゼに次ぐ生産量です。さらに、アメリカ、アルゼンチン、オーストラリアなどの新世界でも栽培されています。
バルベーラの房はどちらかというと大きめで、果実は小粒で濃い紫色をしています。樹勢は強く、実も豊富につけるため、品質の高いぶどうを得るためには、適切な剪定と管理が重要です。寒冷な気候にも比較的耐性があり、多様な気候条件に適応しますが、熟すのに時間を要するため日当たりも重要になります。
できあがるぶどうは酸味が高く、果実味が豊富で、タンニンは中程度です。これにより、若い時期でも飲みやすいワインが作られますが、熟成することでさらなる風味の深みが引き出された味わい深いワインにもなります。
そのすっきりとした酸味と豊かな果実味がバルベーラで造られたワインの特徴です。チェリーやフランボワーズなどの赤い果実の香りが素晴らしく、スミレなどのフローラルなニュアンスも感じられます。若いうちはフレッシュでフルーティーな味わいがあり、飲みやすいです。
オーク樽で熟成を重ねたものは、プルーンやチョコレートのような香りや濃厚さ、そこにナツメグなどのスパイスやバニラの風味が加わり、複雑な味わいが楽しめます。ミディアムボディで、バランスの取れた酸味と適度なタンニンによって、非常に心地よい飲み口になります。
バルベーラはそのバランスの良い酸味と果実味から、若いうちはトマトベースの料理やパスタ、ピザなどによく合います。例えば、スパゲッティ・ボロネーゼやラザニア、マルゲリータピザとの相性は抜群です。また、肉料理であれば、グリルした赤身の肉や、ローストチキン、豚肉の料理もよく合います。さらに、ウォッシュチーズや熟成したハードやセミハードタイプのチーズとの組み合わせもおすすめです。軽めのバルベーラは、アンティパストやサラミなどの前菜やピクニックやバーベキューなどと共に味わうのにも適しています。
樽で熟成した濃厚なタイプのバルベーラにはじっくり煮込んだ肉料理、鹿肉なども良いでしょう。