ペコリーノ
1個
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チーズ好きな人ならば、あれ?イタリアのチーズの名前?と二度見してしまいますが、れっきとした白ぶどう品種の1つです。マルケ州やアブルッツォ州を中心にその価値が見直され、栽培が増えています。
マルケ州の土着の品種で、シビリーニ山脈で古くから栽培されていた白ぶどう品種ペコリーノ。ただし、この品種も生産性が低いという原因でどんどん栽培面積が小さくなり、一時は絶滅の危機を迎えていました。当時はテーブルワインなどに使われていました。
しかし2000年代以降、その良さが再発見されたこともあり、栽培は息を吹き返し、現在では力強く香り豊かな白ワインを求めて、マルケ州から南部のアブルッツォ州、さらにはラツィオ州やウンブリア州にも広がっています。
ペコリーノは早期に熟す早生の品種で、樹勢はどちらかというと弱めです。
房は小ぶりから中程度の大きさで、筒状、もしくは肩が横に張り出した円錐形の場合もあります。実はそこまで詰まっておらず、粒と粒の間には適度な隙間があります。粒は小さめから中程度で丸く、皮は薄めで色は黄色味がかっています。
病気への耐性も強く、オーガニック栽培をしている人も増えています。冷涼で風通しの良い場所を好みます。粘土石灰質の丘陵地域で栽培されることにより、その良さが最大限に発揮されます。
醸造方法や熟成方法によっても異なりますが、一般的に濃い麦わら色のワインになります。ドライでボディはミディアムからフルボディ、しっかりと熟した実からはより骨格のある厚みのあるワインが仕上がります。心地よい酸味もあり、余韻の長さも特徴です。
香りは、フレッシュでフルーティ、かつハーブのような芳香やミネラル感もあります。
フレッシュかつミネラル感があることから、魚介類との相性はもちろん、しっかりとしたボディは鶏肉や豚肉といった白身肉の料理と合わせても引けをとりません。
チーズを使った前菜や、ヘーゼルナッツやリコッタチーズのケーキ、また桃のタルトといったデザートとも良い相性です。